脳卒中グループ
脳卒中に関する臨床研究
当科では、豊富な症例数を生かし、前向き・後ろ向き研究、単施設研究から多施設共同研究、さらに他科と連携した研究まで、幅広い研究活動を行っています。研究費を獲得したプロジェクトも多数進行しており、若手医師も主体的に研究に取り組むことができる環境が整っています。研究成果は国内学会のみならず国際学会でも発表し、最終的には論文として形にしています。日々の臨床で感じた「なぜ?」を研究につなげ、脳卒中診療の未来を一緒に切り拓いていきたいと考えています。
以下に、当科で行っている研究の一部をご紹介します。
主な研究テーマ
- 脳血管内治療に関する研究:脳血栓回収療法適応時間拡大研究(SKIP-EXTEND研究)など。
- 血栓溶解療法(tPA)に関する研究:ラクナ梗塞に対する急性期治療研究(Lacunar tPA研究)など。
- 頸動脈狭窄症に関する研究:心房細動を有する頸動脈狭窄症研究など
- がん関連脳卒中に関する研究:がん合併脳主幹動脈閉塞研究など
- 潜因性脳梗塞に関する研究:AI心電図解析機器を用いた研究など
- 超音波検査に関する研究:頸動脈エコー、経食道心臓エコーを用いた研究など
- 脳画像に関する研究:AIを用いた画像解析研究など
- 脳虚血に関する基礎研究
血管内治療に関する臨床研究
当科では血管内治療に関する研究も多く行っている
- 超急性期脳梗塞に対する血管内治療単独療法の有効性に関する多施設共同ランダム化比較研究:SKIP study (多施設共同研究)*複数個所に掲載
- 血管内治療が必要な患者を見分けるための病院前脳卒中評価スケールの検討を始めとする脳卒中診療体制に関する研究
- 急性期血行再建後再還流障害に対する治療的介入に関する検討
- 血管撮影室直接搬送による発症-穿刺時間短縮に関する検討
- 発症6時間以降の脳梗塞に対する血管内治療の有用性に関する検討
- 緊急頚動脈ステント留置術後の再狭窄に関する検討

脳虚血実験グループ
これまでに虚血性脳損傷のメカニズムの解明や虚血後の神経細胞保護に関する治療法の開発を目指してきました。最近では急性期脳梗塞に対する幹細胞移植を用いた脳保護療法の研究を中心に行っています。細胞治療は脳卒中後の運動機能を改善させるとして期待されていますが、その至適移植細胞数には制限があり、用量依存的に有効性が高まるわけではありません。そこで私たちは「細胞治療に遺伝子治療を組み合わせることにより脳保護効果を増強する」方法を試みています。
治療遺伝子は炎症抑制性蛋白IL-10や抗炎症作用や血管内皮保護、神経再生促進作用を有する肝細胞増殖因子(HGF)に注目し、アデノ随伴ウィルスベクターを用いることによりこれらを骨髄間葉系幹細胞にトランスフェクションさせます。そして、この細胞を移植することにより強力な脳梗塞治療効果が得られることを確認しています (Nakajima M et al., Mol Ther Methods Clin Dev. 2017)。

神経内科疾患グループ
脳卒中以外の神経疾患は、日本医科大学付属病院およびその関連病院(2026年1月時点で全6施設)で、多施設共同研究という形で、全入院患者を登録しており、様々なデータ解析をしております。
希少性の高い神経難病であっても、多施設で集めることで、診断、治療の多面的な解析が可能となり、多くの学会発表、論文化を可能にしています。
主要な疾患はIDのリスト化がされており、これから研究を始める人でも簡単に利用ができます。
主な研究テーマ
- 視神経脊髄炎スペクトラム障害患者における生物学的製剤の早期使用の安全性と有効性に関する研究
- パーキンソン病患者の味覚の嗜好に関する研究
- 筋萎縮性側索硬化症患者におけるドパミン系機能の評価と早期診断バイオマーカーについての研究
- 髄膜炎患者における髄膜刺激徴候と症状、髄液所見との関連に関する研究
- ギラン・バレー症候群の診断基準におけるred flagに関する研究
- 重症筋無力症患者におけるステロイドパルスの初期増悪のリスク因子同定およびその対策に関する研究
- 末梢神経障害診断における神経エコーの有用性に関する研究
- ステロイドパルス、IVIg、血液浄化療法と感染症リスクに関する研究
