診療内容

神経内科疾患

当科での神経内科疾患診療への取り組み

神経内科疾患は、近年大きな話題ともなっている認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、重症筋無力症、多発性硬化症などの神経免疫疾患、頭痛やてんかんなどの発作性疾患、ギラン-バレー症候群や筋ジストロフィーなどの末梢神経・筋疾患、脳炎、髄膜炎などの神経感染症など、多岐にわたります。

当科では、救急対応を含め、これらの疾患に対応しています。初診での受診も、予約なしでも同日中に診療致します。特殊外来として、下記の外来を開設しています。MRI、CT、エコー、核医学検査、電気整理学検査(脳波や末梢神経伝導検査など)も髄時施行します。

物忘れ外来:毎日診療

2000年に開設し長い歴史をもつ「もの忘れ外来」ですが、2015年10月から体制を整え、現在週3回(月・火・木曜日の午後)、認知症専門医を中心に認知症の診断と治療にあたっています。65歳以上の4人に1人が認知症あるいは軽度認知障害と言われています。ご自身あるいはご家族のもの忘れが気になる方、認知症だった場合には早期診断・早期治療が重要です。早めの受診をお勧めいたします。また臨床治験にも随時参加し、認知症の早期治療にも積極的に取り組んでおり、対象の方にはご紹介することが可能です。

お一人の診察時間が長くかかるため、事前に予約をお願いしております。 また来院の際は、受診される方の詳しい情報が必要ですので、必ずご家族が同伴してください。

パーキンソン病外来:月曜午後

パーキンソン病は神経変性疾患の中では最も有病率が高く、日常診療でもよく遭遇する疾患の一つです。しかし基本的にその診断は、ふるえ(振戦)、動きの遅さ(寡動)、体の固さ(筋強剛)、姿勢異常や転びやすさ(姿勢保持障害)といった症状の組み合わせによってなされるので、診断が難しいとも言われています。また運動症状以外にも嗅覚異常、自律神経症状、うつなどもよく見られます。

当科では、専門医によるこれら症状の評価に加え、最新の知見に即した補助診断(ドパミントランスポータSPECT、MIBG心筋シンチグラフィーなどの核医学検査や頭部MRI検査)も行います。また個々の患者さんに則し、長期の治療を考えたテーラーメイドの治療も行って参ります。

眼瞼顔面痙攣外来:木曜午後

眼瞼・顔面痙攣外来では、眼瞼痙攣(医学病名は眼瞼攣縮)・片側顔面痙攣(医学病名は片側顔面攣縮)にボツリヌスA毒素(ボトックス)を使用した治療を行っています。ボツリヌスA毒素は末梢神経から筋へ刺激を伝達する物質であるアセチルコリンの放出をブロックし、一時的に筋を麻痺させることで不随意運動を抑制します。当科では健康保険適応が認められている「眼瞼痙攣」・「片側顔面痙攣」・「痙性斜頸」・「拘縮」に対し診療・治療をしております。「眼瞼痙攣・片側顔面痙攣」では、通常3か月から6か月間毎の投与が必要となります。

※ただし健康保険適応が認められていない「しわ取り」・「痩身」などを目的とした治療は行っておりません。

頭痛外来:お問い合わせください

日本頭痛学会認定頭痛専門医の医師が頭痛外来を担当しています。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの慢性頭痛を対象とし、診断と治療を行い、より快適な日々を送り、生活の質を向上させることを目標としています。初診時に鑑別が必要な髄膜炎や脳血管障害などの疾患にも迅速に対応します。たかが頭痛、されど頭痛です。頭痛でお悩みの方は、"頭痛の苦しみからの解放"を目指し、頭痛外来を受診されることをお勧め致します。

神経免疫外来:水曜午前 / 金曜午前 / 金曜午後

神経免疫疾患には多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症、自己免疫性脳炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、神経サルコイドーシス、神経ベーチェット病など、多くの疾患があります。これらの疾患は急性に発症・再燃するだけでなく、慢性期にも継続した医療の提供が必要になります。当院では急性期での入院加療、慢性期での外来加療(経口ステロイド、免疫抑制薬)を行っています。疾患によっては他科との積極的な連携も行っています。