教授よりご挨拶

このたび、令和7年4月1日付で、日本医科大学脳神経内科教授に就任いたしました須田智と申します。これまでの経験を活かし、日本医科大学脳神経内科のさらなる発展に尽力してまいります。
脳神経内科は、頭痛、めまい、しびれ、脱力、物忘れといった日常的な症状から難治性疾患まで、幅広い病態を診療する魅力的な分野です。脳神経内科の面白さは、問診と神経診察を通じて病巣を推測することにあります。この「診断の思考」は、脳神経内科の醍醐味であり、学問としての魅力でもあります。神経解剖や専門用語に苦手意識を持つ方も、患者さんとの向き合いを通じてその奥深さを体感できるはずです。
日本医科大学脳神経内科では、脳卒中の診断と治療に関しては、SCU(Stroke Care Unit)を16床有しており、全国有数の規模を誇ります。カテーテル治療、経食道心エコー、埋め込み型心電計なども当科で行い、急性期診療・治療を高いレベルで習得することが可能です。また、重症筋無力症、多発性硬化症、視神経脊髄炎などの神経免疫疾患、アルツハイマー型認知症を始めとした認知症疾患、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症といった変性疾患、ギランバレー症候群などの末梢神経疾患、さらにはてんかんまで、多岐にわたる 臨床経験を積むことができます。多くの関連病院と経験豊かな指導者が多く在籍しており、若手医師を育てるための充実した体制が整備されています。教室全体が「One Team」として一致団結して診療・教育・研究に取り組んでおり、あらゆる神経疾患に対する包括的な知識と技能を養う環境が整っています。
神経内科専門医はもちろん、脳神経血管内治療専門医、認知症専門医、頭痛専門医、臨床神経生理学会専門医など、多くの専門医資格の取得が可能な体制を整えており、専門性を追求する上でも最適な環境が整っています。また、臨床研究やトランスレーショナルリサーチを推進し、学位取得や研究成果を臨床現場へ還元する仕組みを構築しています。若手医師の成長とキャリア形成を全力で支援し、神経内科医として自信を持って活躍できる人材を育成することを目指しています。
神経内科に興味をお持ちの医学生や研修医の皆さん。ぜひ私たちとともに新たな一歩を踏み出し、一緒に学び、切磋琢磨できる日を心より楽しみにしております。
日本医科大学大学院医学研究科
神経内科学分野
大学院教授 須田 智
