診療内容

神経内科疾患

当科での神経内科疾患診療への取り組み

神経内科疾患は、近年大きな話題ともなっている認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、重症筋無力症、多発性硬化症などの神経免疫疾患、頭痛やてんかんなどの発作性疾患、ギラン-バレー症候群や筋ジストロフィーなどの末梢神経・筋疾患、脳炎、髄膜炎などの神経感染症など、多岐にわたります。

当科では、救急対応を含め、これらの疾患に対応しています。初診での受診も、予約なしでも同日中に診療致します。特殊外来として、下記の外来を開設しています。MRI、CT、エコー、核医学検査、電気整理学検査(脳波や末梢神経伝導検査など)も随時施行します。

物忘れ

2000年の開設以来、長年にわたり診療を行ってきた「もの忘れ外来」では、認知症専門医を中心に、現在は週2回(火・木曜日)の専門外来に加え、毎日、もの忘れに関する精査のご依頼を受け付けています。

2022年の国内調査に基づく推計では、65歳以上の約12%が認知症、約16%が軽度認知障害(MCI)とされ、両者を合わせると約3.6人に1人にのぼります。
近年、アルツハイマー病の診断・治療は大きく進歩しています。従来の症状を改善する治療に加え、脳内に蓄積するアミロイドβを標的として、アルツハイマー病の進行を抑制することを目的とした抗アミロイドβ抗体薬「レカネマブ(レケンビ®)」および「ドナネマブ(ケサンラ®)」が使用できるようになりました。これらの治療は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症という早期の段階が対象となるため、これまで以上に早期診断が重要です。当院では、アミロイドPETなどを用いた精密診断から抗アミロイドβ抗体薬による治療まで、安全性に十分配慮しながら、専門的かつ一貫した診療を行っています。

お一人おひとりの診察に時間を確保するため、受診には事前のご予約をお願いしております。また、正確な診断には、普段の生活のご様子や症状の経過についての情報がとても重要です。受診の際には、可能な限り、ご本人の日常生活をよくご存じのご家族などに同伴いただくようお願いいたします。

パーキンソン病

パーキンソン病は神経変性疾患の中では最も有病率が高く、日常診療でもよく遭遇する疾患の一つです。しかし基本的にその診断は、ふるえ(振戦)、動きの遅さ(寡動)、体の固さ(筋強剛)、姿勢異常や転びやすさ(姿勢保持障害)といった症状の組み合わせによってなされるので、診断が難しいとも言われています。また運動症状以外にも嗅覚異常、自律神経症状、うつなどもよく見られます。

当科では、専門医によるこれら症状の評価に加え、最新の知見に即した補助診断(ドパミントランスポータSPECT、MIBG心筋シンチグラフィーなどの核医学検査や頭部MRI検査)も行います。また個々の患者さんに則し、長期の治療を考えたテーラーメイドの治療も行って参ります。

眼瞼顔面痙攣

眼瞼・顔面痙攣外来では、眼瞼痙攣(医学病名は眼瞼攣縮)・片側顔面痙攣(医学病名は片側顔面攣縮)にボツリヌスA毒素(ボトックス)を使用した治療を行っています。ボツリヌスA毒素は末梢神経から筋へ刺激を伝達する物質であるアセチルコリンの放出をブロックし、一時的に筋を麻痺させることで不随意運動を抑制します。当科では健康保険適応が認められている「眼瞼痙攣」・「片側顔面痙攣」・「痙性斜頸」・「拘縮」に対し診療・治療をしております。「眼瞼痙攣・片側顔面痙攣」では、通常3か月から6か月間毎の投与が必要となります。

※ただし健康保険適応が認められていない「しわ取り」・「痩身」などを目的とした治療は行っておりません。

頭痛

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの慢性頭痛を対象とし、診断と治療を行い、より快適な日々を送り、生活の質を向上させることを目標としています。初診時に鑑別が必要な髄膜炎や脳血管障害などの疾患にも迅速に対応します。たかが頭痛、されど頭痛です。頭痛でお悩みの方は、"頭痛の苦しみからの解放"を目指し、頭痛外来を受診されることをお勧め致します。

神経免疫

神経免疫疾患には多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症、自己免疫性脳炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、神経サルコイドーシス、神経ベーチェット病など、多くの疾患があります。これらの疾患は急性に発症・再燃するだけでなく、慢性期にも継続した医療の提供が必要になります。当院では急性期の入院治療だけでなく、その後の継続した再発予防の治療も外来で行っており、当院で継続した治療が可能です。ステロイドや免疫抑制薬などの治療だけでなく、最新の情報に基づいた生物学的製剤による治療もご紹介しています。