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赫 彰郎 先生 / Special Interview

赫彰郎
赫彰郎 日本医科大学顧問

赫 彰郎先生は現在は日本医科大学理事長(取材当時。現・日本医科大学顧問)ですが、昭和56年4月から平成10年3月まで日本医科大学第二内科の主任教授として私たち後進をご指導くださいました。今年は教室のトップが変わりましたし、付属病院もリニューアルしましたのを機に、後輩である医局員に向けてコメントをいただきました。 (2014/08/18 Interviewer: 三品雅洋)

付属病院開院の決意

■ いよいよ新しい付属病院が開院しました。赫先生の思いをお聞かせください

1990年代より日本の医療行政、医学教育は大きく変化しました。一方、本学は建学以来教育・研究・診療に対して世間から高い評価を得てきました。今後も引き続きその期待に答えていくためには老朽化した千駄木地区の教育・研究施設、付属病院の建て替えは必要不可欠でした。そのことにより付属病院に通院している患者さんとその家族、本学を希望してきた学生、教職員の皆様の満足度が増すものと確信いたしました。そしてアクションプラン21千駄木地区再開発と銘打った本学始まって以来の大事業が平成17年よりスタートしました。

既に検診医療センター、教育棟、基礎医学大学院棟が完成し、教育、研究施設の充実が図られました。そして最終プランであります新病院建設も、本年4月前期工事が竣工し、8月4日よりいよいよ診療を開始する運びになりました。 新病院では建学以来受け継がれてきた尽くす心、信頼の医療の実践が行われます。医療の主役は患者さんであり、患者中心の安心安全で高度で良質な医療の提供が進むものと確信いたしております。

新病院の新企画として患者サポートセンターの拡充、総合診療科の充実と総合重症病床の設置が挙げられます。総合重症病棟の中に超高齢化社会の到来により増えることが予想される脳卒中患者、心血管障害患者に24時間体制で対応するstroke care unit(SCU)、CCUが設置されました。ここには多くの内科、外科、リハビリテーション、放射線科の各専門医が配属されており、最高の先端的医療の提供が行われます。

脳神経内科・SCU開設

■ 新病院の目玉のひとつがSCUです

日本医科大学付属病院が誇れるものの一つが救急医療の充実です。 その中の一つが、新病院の中に新たに作りました脳卒中集中治療室:SCUです。

脳卒中は1980年までは日本における死因別死亡率の第一位でしたが、その後は激減し、現在では4位となりました。しかし、脳卒中は働き盛りの人に後遺症を残す重要な疾患であることには変わりありません。近年、診断技術の進歩、経静脈的血栓溶解療法、血管内治療、脳神経保護療法、外科的血行再建術等の新治療法の進歩には、目を見張るものがあります。それには、患者さんを発作直後、出来るだけ早期にSCUへ搬入し、早期診断により病型・病態を把握し、適切な治療、リハビリテーションの早期開始が必要です。SCUへの早期搬入如何が予後を大きく左右します。

付属病院では脳卒中集中治療科部長として、この領域で多くの実績を残してきました大学院神経内科学分野の木村和美大学院教授が就任しました。院内には多くの脳卒中専門医、神経内科専門医、脳神経外科専門医、リハビリテーション専門医、神経放射線科専門医、専門看護師がおり、木村センター長の元、これらスタッフによりSCUにて最高レベルの脳卒中治療を提供いたします。

■ 日本医科大学の脳神経内科は、脳卒中以外も充実しております

脳卒中以外に変性疾患、脱髄疾患、炎症生疾患等を診られる神経内科専門医が沢山居ります。また、頭痛・めまい、あらゆる領域を診られる専門医が居ります。 その為、教育・研究・診療においては、神経内科領域は充実しており、学生諸君、研修医諸君が入局するにあたり、神経内科領域全般において勉強ができる事でしょう。

今後は、患者さんも増える事と思われますので、日本医科大学付属病院において脳神経内科は大きな存在となることは、自信を持って言えると思っております。

医局員に望むこと

■ 最後に、医局員へのメッセージをお願いいたします

木村和美教授が7月に着任され、木村教授の下、新しい医局として早くもチームワークを確立しております。これだけのスタッフ、新しい設備で医局員の士気も高くなっている事と思います。私は、この領域の日本一を目指して欲しいと切望致しております。