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留学先から

Abroad

須田智

(2013/09/08)

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2012年6月から、米国テキサス州ヒューストンのUniversity of Texas Medical Schoolの脳神経内科に留学をさせて頂いております。最初の数ヶ月と言いたいとこですが、半年ほどは生活、研究のセットアップに奔走され、すでに1年が経過したのかと思うと時の流れの速さに驚かされます。留学というと、西海岸や東海岸の大学を思い浮かべる方も多いと思いますが、私もこちらに来る前は、テキサスについては、NASAとロデオ(実際のロデオは大分違っていましたが)、石油ぐらいしか頭に浮かびませんでした。

昨年の6月にヒューストンに到着した際、まず一番に感じたことは、とにかく日差しが強くて暑いということでした。梅雨前の清々しい季節に日本を旅立ちましたので余計にそう感じたのかもしれません。今年は、東京は猛暑であったと聞いておりますが、東京の夏の暑さが5月から9月末頃まで続くような感じです。しかし、湿度は少し低めで、建物の中は驚くほど冷房が効いており、寒いくらいで、省エネ、クールビズなどの言葉はこちらにはありません。こんな所からも文化(単に耐寒能力の違い?) の違いを感じずにいられません。ヒューストンはNFLのテキサンズ、NBAのロケッツ、MLBのアストロズ(ダルビッシュのいるテキサスレンジャースはダラスが本拠地です)、MLSのダイナモの本拠地があり、スタジアムも近く、スポーツ観戦を身近に楽しむことが出来ます。また、ベイラー医科大学、MDアンダーソンがんセンター、テキサスチルドレン病院、メソジスト病院、メモリアルハーマン病院など多くの大学やその関連病院が集まっており、テキサスメディカルセンターと呼ばれる世界最大規模の医療コンプレックスが形成されています。日本から留学している医師、研究者の方々もいらっしゃり、生活のセットアップなどの際などには大変、お世話になりました。また、ヒューストンの人種構成は様々で、まさに人種のるつぼアメリカを体感できる街だと思います。その一方で、観光スポットと呼べる所が殆どなく、全米第4位の人口を誇る都市ですが、知名度は高いとは言えません。しかし、地元民はこよなくヒューストンを愛しているようで、私の出身地の埼玉を見ているようで、今では愛着を深めております。

さて、私のボスのSavitz先生は、年齢は40代前半と若いのですが、脳卒中グループのディレクターで臨床グループと基礎研究グループを共に運営していらっしゃいます。特に、脳梗塞に対する幹細胞治療は基礎研究にとどまらず、すでに臨床応用を進めており、世界的にも有名な医師です。私は、基礎研究グループに所属しており、研究室は中国、インド、アメリカの4名で規模は大きくはありませんが、それぞれがプロジェクトを任されております。私自身も、脳卒中モデルを使って幹細胞の脳保護効果やそのメカニズムを検討しております。脳卒中の後遺症を少しでも軽減することが出来、かつ臨床応用可能な治療法に結びつく研究にしたいと日々奮闘中ですが、なかなかまとまった結果が出ていないため、焦りを通り越して恐怖を感じている今日この頃です。今のところ、ある臨床研究の健常コントロール群としてエントリーしたことぐらいしかチームに貢献できておりませんので、「倍返しだ(?)」の気持ちで帰国までには、何とか現在の基礎研究をまとめたいと思っております。また、年間に約2000名の脳卒中患者を収容しているUniversity of Texas Houston Stroke Registry (UTHSR)の脳卒中診療システムや臨床研究手法なども学ぶことが出来ればと思っております。

最後になりますが、今回の留学に際しまして、御推挙並びに御尽力を頂きました片山教授をはじめ,医局の先生方並びに同門の先生方にこの場をかりて厚く御礼申し上げます。

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西山康裕

(2011/08/07)

私は昨年4月から米国カリフォルニア州のスタンフォード大学医学部脳神経外科教室に留学させて頂いております。ベイエリア、シリコンバレーの中心に位置し、独特の空気を持つエリアです。一年以上が過ぎ、生活にはすっかり慣れ、研究を続けている日々です。昨年に引き続き、得た経験について思う事を報告させて頂きます。

ラボの研究員もこの一年で3人が帰国し、時間の経過を実感しているところです。自分の研究テーマについていえば、脳梗塞モデルを作成し、梗塞後に梗塞周辺に集まってくる細胞の性質の変化とその役割を研究しています。3歩進んだと思ったら2歩下がったり、一気に10歩進んだと言えばその先の落とし穴でボツになったりと、歯がゆさを通り越し、一層忍耐強くなった気がします。実は、もう少し具体的に研究内容について触れたいところですが、進行中のテーマについて話す事は厳しく規制されております。私的には、潜在的には非常に興味深いテーマですが、ゴールに向けたレールを敷くのに苦労が絶えないといったところでしょうか。

研究以外について得た良き体験といえば、米国独自の文化に触れた事でしょう。日本にいる時には名前を聞いた事がある程度だったIndependence Day, HalloweenやEasterを経験し、そして最大の行事であるChristmasを楽しみました。Independence Dayのイベントに参加しましたが、これでもか、と言うほどに愛国心を駆り立てていました。普段から至る所で米国国旗を掲揚しているこの国を象徴しており、最後に盛大な花火がうちあがるという何とも派手な演出を味わいました。多くの人種、国籍が集まるこの国では、強い米国を顕示するという一面もあるのかもしれません。また、Halloweenでは、夜間に仮装をした子供たちが大勢集まり、普通のstreet(とは言え、Halloween仕様で有名なstreet)の家を一軒一軒訪ねてtrick or treatをしたのですが、私の想像をはるかに超えるHalloweenという未体験の文化の素晴らしさとそれを心底楽しんでいる我が子をみて自然と涙がこぼれました。その他、EasterとChristmasという米国の2大イベントにも、日本とは異なった独特の文化を感じ、この国に住んでいる事を実感しました。また、いくつかの国立公園をまわることもできました。まさにNature、Wildlifeと地球の歴史を感じ、心ばかりか脳内も洗われる思いでした。

ところで、この3月に襲った大震災については、相当ショックを受けました。海外にいることで自らの無力感に押しつぶされそうになりましたが、やれることを見つけて活動していました。スタンフォード大学でも数多くの復興支援行事が行われ、大学内のChurchには大勢の方が祈りを捧げに集いました。子供の通う小学校でも、日本人が企画、学校側が全面協力してチャリティが行われました。国籍問わず多くの方に集まって頂き、震災の様子が流れる映像に驚嘆、涙する方も少なからずいらっしゃいました。募金のお願いなどしなくても、百ドル札が惜しげもなく投入されていくその様子に、ただただ感謝しました。日本がいかに他国から愛されているか、この日本という国を作り上げてきた先人たちの偉大さを心底実感しました。その後も多くの震災関連シンポジウムが企画、検証されています。垣根のない人的交流、人的資源が一つの方向に向いて、大きな動きを造っていることを目の当たりにしております。

最後になりましたが、この様な有意義な時間をすごさせていただいているのも、第二内科の片山教授や医局の方々のおかげであり、深く感謝しております。次回の報告には研究のことについてもご報告できるようにさらに精進して参りたいと思います。

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