研究・教育

2020.07.16 Report

日本脳神経血管内治療学会専門医 鈴木 健太郎 インタビュー

脳神経内科あるいは血管内治療を目指したわけ

もともと外科に興味がありましたが、循環器内科を研修し、血管内治療に興味をもちました。その時神経内科の先輩に誘われ参加した研究会で、Merciレトリーバーという血栓回収デバイスが海外では使用されており、今後日本でも保険収載される予定であることを知りました。当時、循環器領域のカテーテル治療は治療法が確立しており、成績も良好でしたが、脳梗塞に関してはrt-PA投与に続く治療法に乏しく、無力さを感じることもありました。私が研修医であった2009年はまだ内科医で血管内治療に取り組む医師も少なく、どこで勉強すればいいのか不確定なところもありましたが、だからこそ内科医として血管内治療に従事したら意義があるのではないかと考え、志すことにしました。

血管内治療専門医が全国に何人いるか?神経内科出身は何人?

指導医も含めると900人を超えております。しかし、全国の脳卒中患者数、施設数を考えると、まだまだ足りないと思います。神経内科出身が何人いるのか正確には分かりませんが、全体の1割いないくらいでしょうか。首都圏近郊や全国の神経内科医だけの血管内治療の研究会もできており、少しずつ垣根は広がっていると感じます。

試験勉強はどうしたか?使った教科書など

試験自体も大変ですが、受験資格を得るためには、専門医または指導医と一緒に100症例を第2助手以上で経験することが必要です。試験に関しては、自分が経験した症例を復習することで、対応可能です!と言いたいところですが、実際には脳神経外科の先生と違い、細かな解剖になじみがないため、解剖に関してはイチから勉強し直しました。おすすめできる教科書もたくさんありますが、総会のCEPやブラッシュアップセミナーなど、血管内治療は講習会がたくさん行われてますので、そこで聞いてきたエキスパートの先生からの情報を自分で復習するというのが、効率的かと思いました。

身長190cm以上とお聞きしておりますが、長いリーチを活かした血管内治療の秘技は?

今年の身体測定で、靴下を脱ぎ忘れたために、190㎝を超えてしまいました。遠くのものも届く反面、穿刺のときなど台が低く、苦労することもあります。

10年後の自分像

2014年1月から大学病院に戻りましたが、多くの血管内治療医を目指す後輩がいる、恵まれた環境になっています。今後大学内で専門医を育成するためにも、指導医を目指したいと考えております。

息抜きは何?

Jリーグの浦和レッズの大ファンです。スタジアムの近い、今の環境は応援するには最適です。